IT業界の人材不足

IT業界の人材不足?

f:id:kantoku-web:20181023011627j:plain

リーマンショック時には大量の技術者の案件がなくなり、多くの技術者が職を失うような事態になりました。
しかし、そこから景気の回復とともに幾つかの要因が重なった結果、今日では致命的な人材不足と言われる状況となっています。

要因とは

  1. 急激なIT産業の成長
  2. 技術者の定年
  3. 印象が悪いためIT離れが加速
1.急激なIT産業の成長

様々な業種がITを駆使しして新たな取り組みや無駄を省く事に利用範囲を拡大している事があげられます。
残念ながら日本ではコストを抑えることにばかり注力して、新しいことに取り組むために活用する事ができない企業が大半ですが。

2.技術者の定年

80年代90年代と一線を駆け抜けてきた世代が定年を迎え始めています。 次の要因と関係しますが、定年で抜けていく人材と新たに業界に参入してい来る人数で計算すると人員の数はマイナス方向に推移しています。

3.印象が悪いためIT離れが加速

f:id:kantoku-web:20180109004654j:plain

元々デスマーチや徹夜続きのような悪い印象がついていたIT業界ですが、過労死問題が取り上げられた辺りから印象の悪さが加速した様子です。
学生の希望職種でも2000年頃はIT企業が多く見られましたが近年ではTOP10にも見られなくなりました。

印象面で言えばリーマンショック当時IT技術者だった人も、案件がなくなれば簡単に使い捨てられる事を痛感して他業種へ移る動きが活発になった事も挙げられます。
そして諸悪の根源であるSESを悪用した偽装請負や多重下請構造で景気が回復しても一向に収入が上がらない事実に見切りをつけた人も多々見られます。

とにかく技術者が集まらない

リーマンショック直後では中小企業ですら選り好みして即戦力となる技術者を採用していました。
それが今や即戦力となる技術者どころか未経験者ですら応募してこない事態となっています。
結局余程面接で話ができない等なければ応募すれば採用されるような状況であるため、入社してもすぐに辞めていってしまうようなケースが多く見られます。
結局応募すれば簡単に採用されるわけですから、少しでも気に入らなければ本人にとって良い場所を求めて移動するにフットワークが軽くなるわけです。

今や東京のコンビニのバイトはほとんどが外国人と言って良いくらいの状況となりましたが、こちらも以前は日本人の従業員やバイトだったはずですがコストカットを加速するあまり現状となっているようです。

専門職が故

IT業界も同じように外国人を安く使う流れがあるかと思いきや、一応専門職で誰でもできる仕事ではない為、辛うじて日本人の若い世代を使い倒している状態です。
一時期オフショアを活用する動きもありましたが、文化の違いなどもありそれまでと違う苦労も多発したためか下火傾向に見られます。

余談ですが、以前ベトナムにオフショアで仕事を依頼したことがありましたが、日本人の新人でもできるレベルで作業依頼をしたにも関わらず全く使ものにならないゴミを納品して請求してくるような素人以下を目の当たりにしたこともありました。
ちなみに、ゴミと言っているのは仕様と全く違うものを作った挙句ビルドすら通らないような廃棄物でした。

他業種と違い代替案が通用しない

正社員から契約社員、下請、下請、下請...と必要なコストを削り続けて限界までたどり着いているのが今の状況です。
そしてこれ以上削ると足場が崩れる、いや崩れ始めている状況が人材不足として表れており、早急な対策が必要となっています。
簡単な話が給与面等の待遇を向上させることです。 安く使い捨てにできる奴隷という商品が入荷できなくなったのですから、商売の方法を変えるだけです。
それができないのであれば商売はできませんから店をたたむしかないだけです。
人を売り物にして延命してきた日本のIT業界はあと一歩で足場が崩れて崩壊するところですが、生き残れる企業はどれだけあるでしょうか。