東京一極集中のターニングポイント

緊急事態宣言解除後の動き

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緊急事態宣言により感染拡大防止のため東京への出勤が制限されているなか、これまでに無かった勢いと会社がリモートワークを導入しています。
この数は東日本大震災の時以上であり、あれから通信技術の発展も相まって今回の数値となっています。

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緊急事態宣言当初にリモートワークを始めた企業などでは、
「情報伝達がしづらい」
「Web会議のやり方がわからない」
「オンオフの区切りがなくなる」
のような不満の声も聞こえていましたが、1ヶ月も過ぎた頃からオンライン飲み会のような取り込みもされ、徐々に浸透していった様子です。

 緊急事態宣言が解除されると

緊急事態宣言により経済的影響はやはり無視できず、感染拡大と経済活動の天秤にかけて徐々に制限を緩めていくことになるでしょう。
そうなった場合に、もともとリモートワークが導入できない対面や現場作業での業種は徐々に日常に戻っていくでしょう。

では、IT業界などでリモートワークによる業務に支障が無かったような企業はどうなるでしょう?
外資系などはいち早くリモートワークを継続する発表をしている企業がすでにいくつか見られます。

それに対して日本の企業はどうなのでしょう?
まだ東京の緊急事態宣言は解除されていませんが、もし解除後にリモートワークによる業務が可能な企業が東京の社屋に出社する形態に戻すようなことがあれば、東京一極集中を打開する最後のチャンスを失うことになります。

喉元過ぎて忘れる企業が多数

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東日本大震災では計画停電などで出社が困難になり、また大規模災害による企業活動が停止しないようリスクを分散する目的でもリモートワークが導入され始めていました。
しかし、震災から数年でその目的も忘れ去られ、東京一極集中が加速している現実がありました。
「時差出勤」を呼びかけても、企業努力に委ねるだけの東京都の方針では、対面的に頑張った(とされる)企業名の宣伝をしているだで、朝の通勤ラッシュは加速する一方でした。

そんな中で、ウイルスの感染拡大のために緊急事態宣言が出るという、企業活動にこれ以上ないインパクトのある事態となりました。

これは経営者だけでなく従業員なども今までのような働き方だけでは問題があるし、テレワークや地方分散など様々な働き方をしても良い、しなければならない、と実感したはずです。

もし、もとに戻ったら

もし緊急事態宣言解除後にリモートワークで業務活動に影響が無かった企業がリモートワークを解除しだし、その傾向が大半の企業に見られたらどうなるか?

二度と東京一極集中から脱することはできなくなる

東日本大震災とウイルス拡大と歴史的な事態に対して対応する形でリモートワークや地方分散などの試みが一時的にされましたが、今回のような世界的な事態においても学習せずに元の活動状況に戻そうとするのであれば、東京一極集中は変えることは不可能でしょう。

元々輸送限界を超えつつあり、限界に達したときに変わっていくだろう、という予想もありました。
それよりも早く企業活動に多大な影響の出る事態になって、これから企業がどう振る舞うべきか学習したはずですが、忘れ去ってしまう企業は一体どれだけ増えるでしょう?

冗談話で、東京がゴジラに物理的徹底的に破壊されても企業は東京に戻ってきて一極集中は復活する、などと言われています。

今の時代で東京一極集中に対して対策をとっていないのは、長く企業経営をするつもりのない会社だと言えるでしょう。
今後5年、10年経過したときの新卒の企業選定基準はリモートワークを重視、なんて時代も来るでしょうか。