ITの人材不足とは

人売りIT業界のこの頃

IT業界の人材不足と話題になっているこの頃。
相次ぐIT業界のブラックな話題と内部告発のように現場の悲痛な声がSNSで発信されていることもあり、新卒者等の若い世代でIT業界を避ける動きが広まっているようです。
リーマンショック直後は案件が絞られて仕事が激減した為、中小企業でも応募がある状況でしたが、その後が景気の向上やオリンピックバブルに向けて案件拡大もあり人材は大手に向かうようになりました。
結果中小企業に応募する人は減り、若い世代のIT離れが加速し中小企業にとっての人材不足が広まっている状況です。

もう少し正確に言うと

中小企業であっても完全に募集が減っているわけではありません。
自社製品やサービスを持っている企業や給与待遇が良い企業では今でも募集は変わらず来ているそうです。

人材不足とは何なのか？

安い給与＋経験者　が募集に応募してこないのが現実です。
実は大手でも下位のスキルレベルであれば中小と変わらない待遇の募集もそれなりにあったりします。
そうなれば中小よりは大手を選ぶ人が多いですから、当然中小に人が来なくなります。
しかし、スキルに見合った給与を出せば大手も中小も関係なく人は集まります。
しかし現実は、新卒採用化と間違うレベルの給与でスキルを持った経験者を募集していますから、そのような採用担当が何を考えているのかわかりません。

それでも募集は来るけど・・・

最近では中小企業では経験者の募集をあきらめて未経験も採用している動きをあちこちで聞きます。
中小企業が大手に負けない給与を出すのが無理となれば、スキルを持った経験者の採用を諦めるしかなかったようです。

そして、未経験者を採用してどうなるか？

外から見ると華やかに見えるIT業界の現実を知ってしまったためか、かなりの確率で辞めていきます。
特に日本のIT業界の9割は違法派遣のSESと言われていますから、未経験で採用した人間を大した教育もせず現場に放り込むパターンが大半ですから当然といえば当然でしょう。
右も左もわからない業界で人売りビジネスの商品として売り飛ばされるのですから、本人にしてみれば理解しがたい状況でしょう。

もはや未経験者すらこない

最近ではその噂も広まってしまったようで、応募してくる人間も未経験＋訳アリといったケースも多々見られるようになってきました。
訳アリの内容も、他業種で合わなかった、社会復帰、家の事情、etc...
仕事が見つからない人の駆け込み寺のような状況にもなってきていますが、駆け込む先を間違えていると思います。

少なくとも救われることはないのですから。

突然訪れる崩壊

IT業界の表層では人材不足等と緩い表現をされていますが、実際のところ現場では悲惨な状況、とくに中小企業では目も当てられない状況が続いています。
IT企業の大半が中小企業ですから、元々業界にいた人間で何とか支えている状況でしょう。

商品が入荷できない

人売りビジネスで使いつぶされて、無限に湧いてくると勘違いをしていた人材がパタリと途絶えてしまい、残された人間が回している状況です。
企業の倒産と同じで、ギリギリで回していって限界を超えたときにダムが決壊したように業界が崩壊すると予想されます。
今までも数々の業界、例えばテレビ等の家電も安売り競争で業界が崩壊して、結局海外に全て持っていかれてしまいました。
自動車業界のように世界に対して絶対的な価値を持っていない限り何らかの対策をとらなければ業界そのものが崩壊していくというのに、何故か潰しては次の業界と食いつぶしていくのが日本の経済界のようです。